留める
貴方様のボタンを留めます
貴方の服は、綺麗なのです
触れて
触れて
貴方の命に袖を通します
わかっているのですか
私は貴方の気持ちにどう頑張っても
理解が届かないのです
触れることも
貴方は無なのです
拒絶もしませんが、絶対に
受け入れてはくれない
貴方がふいに涙して
悲しくなったのです
貴方の涙に応えてもらいたくなりました
僕の命の値を
僕の心の値を
そうして貴方様の目の奥の色彩が
僕に尋ねるのです
君は愛することができるかと
僕は口から出そうな声を心に留めました誰がそうさせたのでしょう
貴方様が流した涙を
心に留めようと強く願ってしまうのは
同時に終わりゆく
儚さからかもしれません