しらんがな

なんでもない人。読んだ後は心で叫びまひょう。「あんたのことなんか知らんがな!」

あのこ

笑い方がわからずに

でも笑わなければと

必死に笑うことをがんばっていたあの人

 

皆が笑う時

笑い方を失ったあの人は笑うてた

いや

口元の筋肉を必死に動かしていた。

 

泣けなければ笑えない

笑えなければ泣けない

嘘でも笑わなければ

笑わなければ

自分が見透かされそう

 

見透かされたなら

一かけらでも自分から

こぼれ落ちてしまうたなら

崩れてボロボロになるだろう。

 

そんな気がしていたのかな

あの人は

必死に必死に笑おうとしていました

なによりもなによりも

努力していました。

 

あの人は、笑いたかったというより

あの人は、ふつうになりたかった

あの人は、失ってしまった感情が

もう戻らないと

言っているように

僕等のまえで笑おうと

がんばっていました。